ピアスの入れ替えが出来ない理由

ピアッシングしてからホールが安定するまでの期間、ファーストピアスを入れたままの状態にしておかなければ、せっかく貫通させた穴がふさがってしまいます。
ピアッシングしてから間もない時期にピアスを抜いた場合、その直後でもホール内部がふさがってしまうくらい身体の自然治癒力は高いものです。
安定していないホール内部は肌のような皮膚とは異なり、皮膚細胞がむき出しの状態になっています。
この不安定な時期にピアスの入れ替えをすると、間違いなくホール内部の細胞を傷付けてしまい、いつまで経ってもホールが完成しません。
初期段階
ピアッシングで損傷した皮脂細胞に、直接ピアスが触れている状態です。
出血が止まった後も数週間は透明な組織液などが分泌されるので、衛生管理には最も気をつけなければならない時期です。

この分泌物でピアスが動かなくなることがありますが、金属製のピアスは癒着しないので回さない方が良いです。
ピアスを回して強引に剥離すると、形成段階の皮脂細胞を傷つけてしまい、安定するまでの期間が伸びてしまいます。
中期段階
ピアスに接していた細胞壁を保護するように、新しく皮膚が形成されていく段階です。

痛みや違和感が緩和されてピアスを入れ替えたくなる時期ですが、内部に出来た皮膚はまだ薄く、ここで無理をすると初期段階に戻ってしまいます。
安定期
ホール内部に皮膚が形成され、ピアスの装着が容易になります。

しかし、放置しておくと完成したホールが狭くなりやすく、ふさがるのを防ぐ為にもクリアピアスの常用をお勧めします。

ホール部分にコロコロしたシコリのようなものがあると思いますが、それは耳たぶの内部に形成された皮膚なので心配ありません。
しかし、この段階になっても耳たぶが腫れていたり、軽く押して痛みを感じる場合は診察をお勧めします。

それでも入れ替える必要が

信じられない事ですが、クリアピアスを内蔵したピアッサーが普通に販売されています。
この製品は量販店などでも気軽に購入できるので、ファーストピアスに樹脂製のクリアピアスを使ってしまう原因のひとつになっていると思います。
しかし、医療用のポリプロピレンで作られたクリアピアスは、アレルギーや拒絶反応が抑えられる性質上、傷が治癒する過程で癒着(皮膚細胞と一体化)する危険があります。
これを避ける為にも、早い段階で金属製のピアスに交換する事をお勧めします。
尚、「クリアピアスが癒着しないように定期的に回す」も分かるのですが、傷つきやすい樹脂を温床にした「細菌」をこすり付けている様なものです。

《参照》 「 クリアピアスが危険な理由


ピアスが入らない原因は


安定していないホール内部は皮膚ではなく、細胞壁がむき出しに近い状態になっています。

ピアスを挿すのは簡単ですが、耳たぶ裏側の出口まで導くのが1番の難所です。
少しでもズレると柔らかい組織は損傷し、出口を探してピアスポストで耳たぶ内部をかき回す事で更に悪化します。



出口に到達しない場合、ピアスをまっすぐに挿していない事が多いようです。

慌てて作業するとホールを突き破る事も
ありますので注意して下さい。

裏技! これでピアスが簡単に挿入できる

安定したホールでも、ピアスを抜くとホールはすぐに縮まります。

ホール内壁が密着している状態ですから、挿しにくいのは当然です。

ですから、ピアスを挿す時に「ホールを広げる」と良いでしょう。

潤滑・衛生面から軟膏の使用をお勧めしたいのですが、外出先などでも気軽に実践できなければ意味がありませんから、どこにでもある「水道水」を使います。

手洗い後の濡れた状態の指先で、ホール周辺を優しくマッサージします。

マッサージと言っても触れる程度の力加減で、水を2〜3回付け足すと効果的です。

これけの手間でホール内が水分で満たされ、驚くほど簡単にピアスが入ります。

穴がふさがっていると感じた時は、耳たぶ裏側を石鹸などで洗浄してみましょう。
ここは分泌物で固まっている事が多いので、ピアスが挿しやすくなります。
それでも入らない時は、ピアスを耳たぶの裏側から挿してみて下さい。
鏡に向かって裏から正面方向に挿すと目標が定まりやすく、簡単にピアスポストが出てくると思います。
この時にピアスポストに軟膏を塗っておくと、ホール内の滑りが良くなり、表面から挿しやすくなります。



ニードルを使って入れ替える

出口へと導く為の最善策と思われるのは、ピアスポストに ニードル の末端(刺さらない方)を連結し、ニードルでピアスを押し出し、装着したいピアスでニードルを押し返すというものです。


ニードルでのピアッシング」を応用します

キャッチを外した後、耳たぶ裏に出ているピアスポストとニードルに軟膏を多めに塗ります。

ピアスを入れる時にも軟膏を多めに塗り、ホール内の損傷を軽減するように慎重に行います。


ニードルを持っていない場合

ピアッサーを使用した方や、既にニードルを処分されている場合は上記の手法が使えません
今後もピアスの入れ替えに利用できますから、新たに ニードルを購入 されるか、ホール内壁の損傷を最小限に抑えられるような作業をしなければなりません。

  • ピアッシングから間もない場合、ファーストピアスを抜いた直後でも再挿入が出来ない事があります。
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  • 軟膏を多めに塗るのは潤滑を促すだけではなく、ホール内部が分泌液や体内圧などの影響で密着するのを軽減する為です。

キャッチを外した後、耳たぶ裏に出ているピアスポストに軟膏を多めに塗ります。

ポストが完全にホール内に入らないよう気を付けながら、綿棒でヘッド側のポストにも軟膏を多めに塗ります。

もう一度ピアスを根元まで押し込み、再び耳たぶ裏に出ているピアスピストに軟膏を多めに塗り、出来るだけホール内が軟膏で潤うようにして、ホール内の損傷を軽減するようにします。

入れ替えるピアスのポストにも軟膏を多めに塗り、ホールに対して真っ直ぐに挿します。

正面に鏡を置き、ピアスを持っていない方の親指で出口を確認しながら耳たぶを起こすように支え、慎重に真っ直ぐ挿して下さい。

それでも手探り感覚でホールの出口を探すのですから、やわらかい耳たぶ内部は間違いなく傷つきます。
耳たぶ内部は痛みを感じにくく、柔らかいのでホールからズレても分からないと思います。
耳たぶ裏の皮膚に当たってから位置がズレている事に気付き、内部をかき回すように出口を探す事になります。

(リスクを十分に理解した上で、自己責任での作業になります。)

ピアスホールが複数ある場合


さらに面倒なのが、位置を変えるために改めてピアッシングをして、安定していないピアスホールが2つ以上ある場合です。
ふさぐ方のホールにピアスを挿してしまうと、皮膚の形成を妨げて治癒が遅れるだけではなく、傷跡やシコリが残る場合があります。
これを防ぐ為、上記の手順に「ふさぎたいホールを隠す」を加えます。
この画像はホールが完成していて、他のホールを完全にふさぎたい方にお勧めした時の使い回しなので、ここでは軟膏を使用しておりません。

セロテープでもよいのですが、マスキングテープやサージカルテープの方がはがす時に痛くないのでお勧めです。
ピアスポストのギリギリの位置にテープを貼るとミスが減ります。
ふさぐホールにピアスを挿す事は防げますが、この場合も 上に記載 してあるのと同様に、耳たぶ裏側の出口を手探り感覚で探さなければならないので、間違いなくホール内部は傷つきます。

クリアピアスに関して

異物であるピアスを体外に退けるように新たな皮膚を形成し、治癒と共に完成するのがピアスホールです。
完成したピアスホールでも、そのまま放置していると穴が狭くなり、やがてふさがってしまいます、

それを防ぐ為に使用するのがクリアピアスです。

仕事や校則などの関係でピアスが出来ない方でも、日常生活で目立ちにくいように作られています。
その他の主な用途は、温度変化の激しい環境での活動や、スポーツ時の怪我を予防する等です。

しかし、安定したホールでも誤った使用法では、トラブルの原因になりますので注意が必要です。
クリアピアスは単価の問題でセット販売しているのではなく、使い捨てを前提にした商品ですから、何日も挿したままにするのは良くありません。

使い捨てコンタクトほどではないとしても、細菌の繁殖などによる身体への影響がありますので、ホールのコンディションを保つ為にも正しい使い方をして下さい。


電マ・アタッチメント

    


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